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不動産住所等変更登記の義務化――2026年4月1日スタート…

「相続登記が義務になったのは知っています。でも、住所が変わっただけでも登記が必要
になったというのは、本当ですか」――答えは、本当です。2026年4月1日から、不動産の所有者として登記されている方が住所や氏名を変えたときは、変更の登記を申請することが法律上の義務になりました(不動産登記法76条の5)。期限は変更があった日から2年以内。正当な理由なく怠った場合には5万円以下の過料の対象とされています。しかも、こ
れは「これから引っ越す人」だけの話ではありません。
【住所等変更登記の義務化とは】
不動産の登記簿には、その不動産を所有している人の氏名と住所が記録されています。こ
の氏名や住所が変わったとき、登記を実際の内容に合わせて直す手続きが住所等変更登記
(登記名義人表示変更登記)です。 従来、この手続きはあくまで任意でした。放っておい
ても罰はなく、実務上も「売るときや担保に入れるときに、まとめて直せばよい」と扱わ
れてきました。そのため、登記簿の住所が何十年も前のまま、というケースが全国に膨大
に積み上がっていました。
【なぜ義務化されたのか】
この改正の背景にあるのは、日本が長く抱えてきた所有者不明土地問題です。登記簿を見
ても今の所有者に連絡がつかない土地が全国に大量に存在し、公共事業の用地取得、災害
復旧、空き家対策、民間の再開発――あらゆる場面で作業が止まってしまう、という深刻
な事態が生じていました。
所有者に連絡がつかなくなる原因は、大きく二つに分けられます。
【期限は「変更があった日から2年以内」】
申請の期限は、変更があった日から2年以内です。引っ越しであれば住民票を移した日、
婚姻による氏の変更であれば戸籍の届出が受理された日が起算点になると考えるのが基本
です。 ここが、多くの方に関係する最も重要な点です。この義務は、施行日より前に生じ
ていた住所や氏名の変更にも適用されます。「昔の話だから対象外」ではありません。
【正当な理由なく怠ると5万円以下の過料】
正当な理由なく申請を怠った場合、5万円以下の過料の対象とされています。ここで押さ
えていただきたいのは、過料は刑罰ではないという点です。前科がつくものではなく、行
政上の秩序を維持するための金銭的な負担(秩序罰)です。とはいえ、放置してよいもの
ではありません。 また、期限を過ぎたら自動的に過料が課される、という仕組みでもあり
ません。法務省は、住所等変更登記の義務化について、「登記官が過料通知を行うのは、
義務に違反した者に対し、相当の期間を定めて義務の履行を催告したにもかかわらず、正
当な理由なく、その期間内に申請・申出がされないときに限られます」と明示しています
。
■まとめ
✓ 2026年(令和8年)4月1日から、所有権の登記名義人の氏名・名称または住所に変更があったときは、変更の登記を申請することが義務となった(不動産登記法76条の5)。
✓ 申請の期限は、変更があった日から2年以内である。
✓ 正当な理由なく申請を怠った場合は、5万円以下の過料の対象とされている。過料は刑罰ではなく秩序罰である。
✓ 法務省は、登記官が過料通知を行うのは、相当の期間を定めて義務の履行を催告したにもかかわらず、正当な理由なくその期間内に申請・申出がされないときに限られると明示している。
✓ 法務省が挙げる「正当な理由」の例は、①検索用情報の申出または会社法人等番号の登記がされているが職権による住所等変更登記の手続がされていない場合、②行政区画の変更等による住所の変更、…
✓ 市町村合併や住居表示の実施のような行政区画の変更等は、上記②の「正当な理由」の例に挙げられており、自ら急いで申請すべき中心的な場面ではない。

