遺言探しと検認は必須
相続の基本は被相続人の意思に従うことです。具体的には遺言書がそれにあたります。 結婚していない人物との間の子どもについても、遺言書で子どもとして認めることができる。 相続人が未成年の場合の後見人や、その人物に問題がないかを監督する人物まで指定できる。
【遺言の役割】 ①相続と遺産分割について ②財産の処分法について ③子どもや相続人について相続人から相続権を取り上げたり、 それを戻したりすることができる。
遺言に従って、相続を行う執行者を指定できる。 弁護士や信託銀行 を執行者にする場合も。 墓や仏壇など、祭祀に関わる財産を誰が管理し、 承継していくのか 指定することができる。
法定相続人以外であっても、自分の財産を相続できるように指定す ることができる。 財産を相続人たちに相続するのではなく、希望するところに寄付す
るように指定することができる。 特定の銀行などに財産を預け、管理や運用について任せることができる。 分割を禁止する 分割方法の指定法定相続分とは無関係に、誰にどのくらいの割合で相続させるのか
を決定する。 遺産の分割を行うことを禁止することができる(最⾧5年間)。 生前贈与分を相続分と合算して考える特別受益を、計算しないよう に指定できる。 後見人の指定 子どもを認知する 金融機関での信託寄付の希望相続人以外への相続、祭祀財産の承継者指定、遺言執行者の指定、相続権の剥奪や相続人の指定 特別受益を免除するとはいえ、そもそも被相続人が遺言書を残していない場合や、残していてもその存在を明かしていないこともあるでしょう。つまり相続は遺言書の存在を確かめることからスタートします。
【遺言書はなくてもよいがあれば相続がスムーズに】
まずは遺言書の有無の確認です。重要書類保管場所など遺言書が保管されていそうなところをくまなく探して みましょう。なくても遺産相続は進められますが、遺言書があるほうがずっとスムーズに進められます。
遺言書には、自筆証書遺言秘密証書遺言公正証書遺言の3種類があり、これらはそれぞれ形式や作成の仕方 が異なります。この違いは、被相続人が遺言書を書く場合の内容に加え、相続人にとっても遺言書が役場に保管されていたり、作成の記録が残されていたりと、遺言書の探し方や確認すべき内容に関連してきます。
【3種類の遺言書の探し方と確認すべき点】 自筆証書遺言、秘密証書遺言、公正証書遺言の3つの遺言書について説明していきます。
自筆証書遺言は被相続人が自由に書ける遺言書で、被相続人が内容どころか用意したという事実すら、誰にも 明かすことなく作成し、任意な場所に保管しておけるのが特徴です。そのため、相続人はその有無を確かめ、
存在するならどこに保管されているのかを探すところから始めなければなりません。 自分で保管できることから被相続人の身の回り、自室の机のなかや仏壇などくまなく探しましょう。人によっては、信頼できる知人や、自分以外は手が出せない銀行の貸金庫に預けている場合もあります。また、2022 年からは法務局での保管も可能になりました。 注意してほしいのは、法務局保管以外の自筆証書遺言は、発見したとしてもすぐに開封することが禁じられて
いる点です。これは書いた本人以外にはそれが本物かどうかを判断できないため、法的な基準に基づいて、そ の真偽を確認しなければならないからです。 未開封のまま家庭裁判所に持っていき、「家事審判申立書」で検認を申し立てます。問題がないと認められれば「自筆証書遺言検認済証明書」を受け取ることができ、そこではじめて正式な遺言書となります。
秘密証書遺言は、自分で作成した遺言に封を施し、公証役場に遺言が入っていることだけを証明してもらう遺 言です。被相続人が保管場所を知らせず内容も公開しませんが、作成記録を検索することは可能です。検索依
頼には、相続人であることを証明する書類と本人証明書類が必要です。 これも書いた本人しかその中身を知らないので、やはり裁判所の検認が必須になります。 自筆証書遺言や秘密証書遺言をもとに相続を行う場合、遺言書は遺産分割の内容を証明する書類として検認証
明書とセットで提出する必要があります。
これら2種類の遺言書は専門家と作成したものではなく、内容に不備がある可能性があります。もちろん被 相続人の意思確認ができるので、これらをもとに分割協議を進められますが、不備がある場合には、法的に問題となるリスクは残ります。
公正証書遺言は、自筆遺言や秘密証書遺言とは違って、公証役場で専門家の指示によって書かれるため、法的
な不備はありません。もし被相続人から公正証書遺言を残していると知らされた場合は、その原本がどこの公証役場に保管されているか、写しは保管しているかという2点を確認しておけばいいでしょう。 また、公正証書遺言なら公証役場には原本と記入記録が残っているので検索をかければ中身まで確認すること
が可能です。
【遺言書どおりの相続が原則だが、不満があれば遺留分の請求もある】 遺言書が法的に正しいものと確認されれば、相続は基本的に遺言書に記載されたとおりに進めることになります。その際に、遺言執行者を立てることもできます。
ただし、相続人が遺言内容に不満がある場合などには、被相続人の配偶者と子ども、父母には遺留分という最 低限の相続分が保障されています。遺留分の請求にも手続きと権利を行使できる期限が設けられています。
いずれにせよ、遺言書があれば比較的スムーズに相続を進められます。相続発生以前に、遺言書の有無を確認 しておくことが重要です。
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